三和木ブログ
miwaki Blog
2020.09.10
大工と曳家のコラボレーション ー河文の改修工事⑤ー
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- コラム
7月末から8月中旬まで、名古屋最古の料亭「河文」様の改修工事に入らせていただいていました。
いくつもの部屋や廊下、屋根や門などの改修をしましたが、今回は「新用亭」の床下の話を。
河文「新用亭」は、美しい庭を眺めることのできる十畳ほどのお部屋で、窓際には畳敷き風の入側縁があります。
その手前には、鞘の間を配置した趣のある広間で、床の間と床脇を区切る壁や床柱を略し、広間とのバランスにこだわっているお部屋です。
この部屋も含め、複数のお部屋がそうだったのですが、地盤沈下によって床が傾いていました。今回の改修工事では、その床の傾きを直すことも大きな使命の一つでした。
工事には曳家さんにもきていただき、大きなジャッキで持ち上げてまず傾きを直していきます。これがジャッキです。
新用亭は10センチほどジャッキアップする必要がありました。
その後、鋼製束を床下にしのばせて床を支えます。広間全体をしっかりと支えられるよう、30本くらいの鋼製束を使います。
この鋼製束を入れることで、床上からの力を分散させ、この後何十年と歴史を重ねていっても、傾きにくい床にすることができるのです。
床の傾きを直し、中の構造を強固なものにしたら、また元どおりに床板を戻します。
それまで使われていたものを中心に貼っていくので、見た目にはどこが変わったのかわかりませんが、その床下には大工さんや曳家さんやたくさんの職人さんの智恵と技が隠れているのです。
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